徹底分析!!一戸建てorマンション

自動車のプリウスに代表される様に現在の技術革新は大変早いペースで進んでおり、耐久材(建築)の世界でも、今までの常識では測りきれない様な様々な機能や性能を備えた建材が多数誕生しています。
特に2009年頃より”省エネ”と称される家電や建材は革命に近い技術革新が多く、今までは資産運用上「新築戸建て」はコストパフォーマンスが劣っているとの常識が完全に覆されつつあります。
また、2011年の東日本大震災では、東北に比べ被害が小さかった為、あまり報道されませんでしたが、関東地方でもかなりの数の家屋の倒壊や、半壊などがありました。
特に家が傾いた場合など半壊扱いにもならない為、正確な統計資料はありませんがかなりの数になっている様です。
更に万全と謳っていた高層マンション神話も脆くも崩れ去り、震災を境に建築に関する様々な常識が覆された年でもあります。
本特集ページでは、災害やランニングコスト、資産価値の推移、税金や相続、修繕費(立替)など複合的に最新の情報をご説明します。


物件の種類を確認しましょう


住宅には様々な立地や種類の建物が存在しますが、大きくわけて6種類に分類出来ると思います。
新築戸建 中古戸建てA(1981年以前に建てられた家) 中古戸建てB(1982年以降に建てられた家) 超高層マンション 15階建てまでの中層マンション 4階建てまでの低層マンション
Aは1981年以前に建てられた家、Bは1982年以降に建てられた家です。 マンションは1983年以降に建てられた物件に限定します。


物件種別と早見表

 
年間返済額
返済総額の軽減
諸費用
正味の負担軽減効果
借換え前(金利4%)
145.4万円
67.0万円
(年間差額6.7万の10年分)
27.9万円
67.0万円−27.9万円=39.1万円
借換え後(金利3%)
138.7万円
先に結論を言ってしまうと、中層、低層マンションは、地震などで傾いただけで資産価値がゼロになる可能性を秘めており、賃貸で住む場合は良いのですが「買う」との視線で見ると検討価値はかなり低くなります。 高層マンションは、地震や火災にも強く、傾きによる資産消失リスクも低いですが、今回の震災で長周期地震動のリスクや、停電に対する脆さが露呈しました。 中古戸建ての場合、1981年以前の物件(中古戸建てA)は、基本的にマンションと同じで借りる場合には問題ありませんが、「買う」との視点では、検討価値が低くなり、「資産ゼロリスク」が付きまといます。
1982年以降の物件(中古戸建てB)は、優秀なスコアを出しますが最新の家電や技術を活用して、光熱費などのランニングコストや、共働き、伴侶の家事からの解放との見地から見ると新築戸建てに対して見劣りします。


2010年までの常識


中古戸建B>新築戸建て>高層マンション>中古戸建て=マンション(投機目的)


2012年の常識


新築戸建て>中古戸建てB>高層マンション
※中古の中・低層マンションと中古戸建てA(1981年以前の戸建て物件)は資産価値リスクが高くなりました。 ただし中古戸建てAは建替えを考える用地としての検討が増えています。


◎総括(まとめ)


投機目的や転売予定がある方は、中古戸建てB(1982年以降の物件)か新築でも中古でも高層マンションがお勧めです。自分で住む予定の方は、新築戸建てが有利です。頭金や年収の問題で新築戸建てが苦しい場合、あえて賃貸住宅に住むほうがローンを組んだ状態で、家屋の倒壊などで資産価値がゼロになるリスクを考えると、得と言えます。更に詳しい、それぞれの物件の特徴やメリット・デメリットは下記で詳しく掘り下げて記載します。


それぞれの物件の特徴(メリット・デメリット)


新築戸建て


まず、昔と違って新築戸建てには様々なメリットが増えています。 リスクに対する強度と質: 新建築基準法、建築偽装問題、東日本大震災を経て、建築技術や建築資村の品質が格段に進歩しています。 最新の家では、震度7でも倒壊や家全体が燃える様な火事になるリスクが低下しました。 また、最近の住宅はスゴイです。壁紙のアレルギー問題にも対応しており、2重窓、エコ家電、太陽発電の助成金など、ランニングコストを抑えた作りになっている事が多く、長い目で見ると中古住宅と戦える程に金銭メリットも発生出来ます。

まとめ:
最新の設備家電などにより、家事に対する人的コストが非常に低いので、空いた時間を使って子育てに専念する、或いは共働きも楽に出来るので子供が居る場合で巣立った場合や、イザという時の経済的メリットが大きい。 更に助成金など税制メリットも大きく、それらと組み合わせる事で光熱費も浮き、マンションと異なり非常に高い可能性で次世代へ財産が残せる(資産価値がゼロになる可能性が非常に低い)。


中古戸建てA ★1982年以前に立てられた建売物件について


何と言ってもコストパフォーマンスが優れています。 しかし、住むのには適しません。火災に弱く、地震にも弱いです。 震度6以上の震災に際して倒壊リスクがあり、今から買うのにはオススメしません。 しかし、財テクの1つとして、或いは仮住まいとして、子供が出来るまで、などの用途であれば良いと思います。

まとめ:
土地ごと付いている物件の場合、財テクとしては最も優れている気がします。 1982年以前に立てられた建売物件、建造物の資産価値はゼロと考えて買ったほうが良い。


中古戸建てB ★1982年以降の建売物件について


中古戸建てAに比べると、安全性が高い為、少し割高になりますが住むには最適です。 中古なので、隠れた破損などの前住人リスクなどがありますが、引越などで転売しなくてはならない時でも、大きく値段が下がる可能性が低く、財産として見ると大変優秀です。 また、新建築基準法適応なので、震度6以上の地震にも倒壊リスクが低く火災にも強いのが特徴です。 しかし、新築に比べると使い勝手など見劣りするのも事実です。

まとめ:
住むにも、財テクとしても大変優れています。 最近のエコ家電や技術をフル活用出来ないのでランニングコストだけが引っかかりますが、資産価値がゼロになるリスクも低く、転売時の資金リスクも低いので、新築戸建と共に検討する価値があると言えるでしょう。


超高層マンション


今まで免震を武器に破竹の勢いで売れてきた高層マンションですが、東日本大震災で、大きく見方が変わりました。 まず、エレベータが止まった場合で上層階だと事実上の孤島になってしまいます。 最近販売されている高層マンションでは自家発電装置など完備しているマンションが増えてきましたが、あの自家発電装置は


  1. 最近の流行で高級感を出す為に各階の共用通路が密閉されており、ホテルの部屋前通路の様になっており、停電時は真っ暗になってしまう。(非常階段まで行くのが大変)
  2. 中層マンションが屋上に水溜めて、重力で給水しているのと異なり、高層マンションはポンプによる加圧式なので、停電時は水が出なくなる問題
  3. 高層マンションの車庫では電気が無いと出られない/動けない作りである場合が多く、車で移動や避難が出来なくなる問題

以上の3点に主眼を置いたもので、一般家庭の電力供給を目的にしたものではありません。更に一番大きな問題として長周期地震動です。 これは、完璧と言われた高層マンションの致命的な弱点です。 お風呂場などの桶に水を溜めたとして、トンとつっついても水はこぼれませんが、ゆっくりと左右にゆらすと水がこぼれます。 同じ原理で、高層マンションは、震度7の地震でも、小刻みに揺れる分にはその柳の様な柔らかさで、地震の揺れを吸収してしまいます(免震構造)。 ところが、ゆっくりとした、具体的には7~8秒に1回揺れる地震が長時間あると例え震度が小さくても簡単に倒壊(折れて)しまう事があるのです。 環境については、一般的なマンションの常識は通用しません。
大変優れていると言って良いと思います。 8割以上の高層マンションでは、各部屋をユニット化しており、騒音やリフォームがし易い構造になっています。家族構成が変わった場合など柔軟に対応可能で、高度な管理会社が必ずメンテナンスを行っている為、理論上は100年程度は持つのでは無いかと言われています。 また、このユニットとは、専有面積部分が完全な箱状になっていて、その上に床や天井を作れるので騒音問題などが起きにくく、リフォームも簡単に出来ます。

まとめ:
耐震などのリスク以外は大変優れている高層マンション。 高層マンションは、一般的なマンションの常識では計れない。 戸建て、マンション、高層マンションの様に、別の構造物(カテゴリー)と考えて下さい。 住むには最適ですし、資産リスクも低く、環境も優れています。 それでも、今回の震災でデメリットが大きく露呈した点を考慮しなければなりません。 リスクを追求すると、やはり新築戸建てか、中古戸建てBタイプになります。


15階建てまでの中層マンション


一見どうでも良さそうな保守費の話をします(実は非常に重要な問題)。 統計的に見れば、低層・中層マンションは管理費が全国平均17000円とありますが最近の資料では、かなり効率の高いマンション運用をしていても2万円以上なければ立替リスクや、保守メンテナンスに対応出来ないとの研究結果があります。 また、マンションの保守組織が建てた時のデベロッパーである場合などがありますが、これは殆どの場合、かなり効率が悪い運用となっており、この非効率な運用を前提にすると月額3~4万円は無いと保守費として成立ないないなどの報告もあります。 つまりは、所有する形式で住居を購入する場合、どんな形になろうとも自分の家は自分で守らなければならないとの事です。
さて、本題です。
上記の様に分譲マンションの場合、自分の家に恒久的に「住める様にする」責任が発生しますが修繕費が少ないマンションの場合、地震などの災害時にマンションの立替が必要となった場合、1世帯あたり1千万円以上の負担が必要になります。
また、分譲マンションの場合、自治会を作り、自分達で管理する場合がありますが、自分も自治会に参加する必要もありますし、近所付き合いも大変です。 つまり、修繕費が安く自治会も無い、住みやすい物件は、実は有事の際、資産価値がゼロになる可能性があり、修繕費が高く、自治会で運営している場合、近所付き合いなども大変です。
更に育児等の側面から見るとマンションは騒音問題や、水漏れなどのリスクも付きまといます。 1階を買えば良いですが、2階以上で水漏れが起きると賠償責任は使用者(住んでいる人)に発生する場合が殆どです。 また、高層マンションには傾きに大してバランスを調整出来る機能がある場合が多いのですが中層以下のマンションにはそんな機能ありません。 最近のマンションであれば倒壊リスクは殆ど無いと言って良いですが、東日本大震災時の千葉県安浦市の様に液状化や、地盤変動でマンションが傾くリスクは付きまといます。
戸建てが少しくらい傾いても、住むには問題無いのに対して、マンションは傾くと建て直しが必要になる場合が多いです。 また、昔のマンションの場合、コンクリートが寿命を迎える可能性(50年問題)があります。

まとめ:
新築の中層マンションはあまりおすすめできない。(転売や、有事の資産リスクが高すぎる)。 地震などで立替リスクなど、資産価値がゼロになる可能性が非常に高い。 60年後など、次の世代には、かなりの高い可能性で引き継げない(資産価値ゼロ)の可能性が高い。 中古マンションの場合、修繕費の積み立てや運用が非常に重要。色々考えると中古の戸建て買った方が断然お得。


4階建てまでの低層マンション


上記中層マンションについての記述を読んだ前提でお話しします。 最近人気の高い低層マンションですが、上記中層マンションの話しが強く関係しています。 まず、構造上倒壊リスクが低い為、結果的に中層マンションより資産リスクも低下します。 中層マンションの悪い部分を改善したのが低層マンションと言えるかもしれません。 また、最近流行りの50戸以上の大型低層マンションの場合、門番や共同浴場やコンビニなどの集合住宅ならではのメリットを生かした作りになっており、環境面も充実しています。 こう言った理由から最近急速に人気を高めている要因になっています。
しかし、それでも修繕費の問題は付きまといます。 東証1部上場デベロッパーによる施工で、且つ運営も施工デベロッパーが担当している場合で且つ、中古だったりすると、オススメ出来る物件となりますが、大変少数です。 ※中古戸建ての資産パフォーマンスが発生し、優良物件となります。 しかし、そんな優良物件でも水漏れや育児など騒音など環境リスク、立替リスクを考えると戸建ての方が優れている様に思います。 また、こちらでもコンクリートが寿命を迎える可能性(50年問題)があります。

まとめ:
50戸以上の大型低層マンションで、中古だと買い。 ただ、水漏れ対策などで家財保険は訴訟特約付きの高度な保険に加入が必要。 日当たりや共同施設も充実している事が多く、住みやすい環境が整っている。 30戸以下の小型低層住宅の場合は、ほぼ上記中層住宅と同じ扱いとなる。 リスクが高く、散財する可能性が付きまとう為、一時的な財テクとしての購入のみ、検討に値する。